『空白の案内人』

「お前らは…俺が、絶対守る」

そんな下らない事を言った 敵は目の前 炎が襲う
俺の全身全霊の魔法を放つ 味方は真後ろ 氷の盾を

家族を持つ友 人を信じられた友 人を愛せた友
どんな時でも 聖なる4人は一緒 繋がり続ける

不安定な俺 歳だって微妙な所 でも関係ない
俺が守るべき 大切な人達だから 必ず、守る

炎の中から放たれた矢に腕を 足を 体を射抜かれ
次第に四肢から力が抜け落ち 意識が 遠退いていく
その時俺が見た光景は明るく 全て 見え始めていた
ここで負ける訳にはいかない 友を 守ってみせるから
「姉さん…俺に…力を…!」

解き放たれた《想》(魔法)は 敵を焼き払い 滅していた
俺の全身全霊の呪文を唱え 味方を癒して 命を削る

愛する者が待つ それぞれの還る 愛しき場所へ
どんな時にも 聖なる4人は一緒 繋がり続ける

残された俺達を静かな闇夜が 包み 守ってくれた
次第に全身から力が抜け落ち 視力は もうなかった
だけど俺は負けなかったんだ 全て 守りきってみせた
だからもう思い残す事はない 友を 守り切れたから
「こんな事で…泣くんじゃねぇよ…」

抱きかかえられた俺は もう喋る事すら叶わなかった
最後に聞こえたのは… あの懐かしき倖せの日々の影
あの頃の…面影の声だった…
「あぁ…お前が…案内人だったのか…」

彼を失くした3人は 哀しみに暮れ 蒼き焔の本を書いた
それは 彼ら自身の思い出… 遠くて近いあの日々
静かな闇夜の森に 涙の零れる 静かな音が響いていた…



☆コメント☆
制作日2007年1月23日
制作時間約40分
何となく…思い付いたから書いてみた。

※上記コメントは、制作当時のものを原文のまま掲載しています。