『ある少年の手記〜目覚め』

朝目が覚めると 隣に居た筈の人は居なかった
このこじんまりとした部屋に残されたのは
安物のギターと 適当な生活をする為の道具だった

優しく撫でてくれた柔らかな掌
透き通る様に美しく白い肌
滑らかで艶やかなブロンドの髪
彼女は消えてしまった

大切な人一人守れない 自分を責め続ける
大切な人一人救えない 自分を呪い続ける

こうしていてはダメだと 自分を奮い立たせた
一握りの金と愛着の湧いたギターと鍵を持ち
僕は部屋を後にした…



☆コメント☆
制作日2007年6月8日
制作時間約10分
“○○の手記”的なシリーズものを書いてみたくなった。
と言うか“シリーズ的な何か”といった方がいいだろうか。
何作で終わるのかとかも全く考えずに
思い付きと勢いだけで始めたので、どうなるかは分からない。
でも数作くらいは書いてみたいと思う。

※上記コメントは、制作当時のものを原文のまま掲載しています。