『甘熟』

幼い頃の記憶 君と炬燵を囲んで
母がくれた蜜柑 甘酢っぱくて美味しかった

君を意識したのはいつだろう
あの味のように甘酸っぱかった気がする

笑顔を見せてよ 君の可愛い顔を
マフラーに隠さないで 目だけで見ないで

君が意識したのはいつだろう
あれとは違ってほろ苦かったのかかな

僕らの恋は始まる前でまだ熟してない
恋の皮剥きを急いだら壊してしまいそう
ゆっくりゆっくり焦らず育てていこう
この想いがいつか溶けるほど甘くなるまで

冬の思い出 笑う君の姿
降り頻る雪 光る君の姿
涙は似合わないなんて
どうして君は言えるんだ

僕らの恋は終わらないまま熟さない
故意の悪戯ではなかったからとは言え
激しく烈しく激情が燃え上がっていく
この想いがすぐに溶けてなくなるほど

君の後ろ姿の記憶 大好きな蜜柑に囲まれて
これが夢だなんて 気付きたくなかったのに…



☆コメント☆
制作日2008年5月17日
制作時間約25分
ぬこからのお題「蜜柑畑」。
正直、あまり蜜柑畑にならなかったけども(苦笑)
一応、ラブラブでカワユスなカップルのお話。
設定的に言うと幼馴染が一番しっくりきそうだな。
光る君の姿、飾る花束…帰らない君。
夢でしか逢えない君に、想いばかりが膨らんでいく…。
最後は、そんなイメージの悲恋の詞(詩)。

※上記コメントは、制作当時のものを原文のまま掲載しています。