『歌の国のお姫様と騎士』

透き通った真っ直ぐに伸びる歌声は
君の中で最大の魅力だと思わせてくれる

初めて聴いた時は心が揺れ動かされて
君の中に歌の国のお姫様を感じたんだ

柔らかで 暖かい
君が奏でる音色
いつまでも いつまでも
聴いていたいと思う
遠くまで 響いてく 歌声を

君の声を体全身で受け止めて
君の歌を心全部で感じて
君の想いと僕の想いを何処までも
響かせていこう

涙を枯らすほど泣いても音は出なくて
歌声を奪われたお姫様は悲しみに暮れていた

強張って 冷たくなった
君が奏でる音色
いつまでも いつまでも
涙が零れる音が
遠くまで 寂しげに 響いてた

君の声を体全身で受け止めて
君の歌を心全部で感じて
君の想いと僕の想いを何処までも
響かせていきたい

僕が君の歌声を取り戻す騎士になるよ
お姫様の笑顔を絶対に取り戻してみせる
だからまた二人で一緒に
あの頃の様に歌をまた歌おうよ

君の声を体全身で受け止めて
君の歌を心全部で感じて
君の想いと僕の想いを何処までも
響かせていこう

僕の声を体全身であらわすよ
僕の歌を心全部で描くんだ
僕の想いと君の想いで何処までも
響かせていきたい
響かせていこう


☆コメント☆
制作日:2009年11月24日
製作時間:約50分

歌う事が大好きな女の子が、ある日恋をしました。
彼も歌う事が好きで、いつも一緒に歌を歌っていました。
彼が作った歌、女の子が書いた歌。
いつしか彼も女の子に惹かれ、二人は恋人になりました。

それからしばらくして、女の子はある日突然声が出なくなりました。
病院に行っても原因は分からず、女の子はすっかり暗くなってしまいました。
泣いても泣いても、涙は零れても声は出ない。
そんな女の子を、彼は見捨てずに、そして諦めずに看病しました。
ずっと女の子に寄り添って、また一緒に歌おうねと話し続けました。

また時間は経って、女の子も声の出ない生活に慣れていきました。
彼もずっと諦めないで、同じ様に接して、過ごしてきました。
そしてまたある日、二人はちょっとしたことで喧嘩になってしまいました。
本当に些細なことだったはずなのに、彼も怒ってしまい
頭を冷やしてくると外に出ました。
そのすぐ後…車の急ブレーキの音と、何かがぶつかった鈍い音がしました。
女の子は、すごく嫌な感じがして家を飛び出しました。
すぐ近くで、事故がありました。その被害者は、彼だったのです。
いつものように声が出ないまま、泣き崩れた女の子は彼を抱き締めました。
その時、女の子の泣き声と、彼を呼ぶ声が出たのです。
彼は、その女の子の声を聞き安心したのか、とても優しい笑顔を浮かべました。
そして、そのまま彼は息を引き取りました。

その後、お葬式やお通夜なども終わり、彼の遺品を整理している時に
女の子はある手書きの譜面を見付けました。
それは、彼が女の子の為に書き続けていた一曲の歌でした。
「いつか声が戻ったら、これを歌って欲しいなぁ」そんなメッセージも残されていました。
女の子は、枯れたと思うくらい泣いて流した涙がまた溢れ出してきました。
また声を出して泣きました。
嬉しさと寂しさが混じった、不思議な気持ちと涙でした。

女の子は決心しました。この曲を歌おうと。
声が戻ってから、初めて歌った歌が、この歌でした―。

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こんな感じのお話をイメージして書いてみました。
少し、サーフィスの「君の声で 君のすべてで…」に影響を受けました。
サビ的な部分が若干くどく見えるかもしれませんが
曲をつけたらそうならないようにしたいなーなんて思ってます。
真っ直ぐな詞(詩)になってればいいなー。

※上記コメントは、制作当時のものを原文のまま掲載しています。